脆弱性対応ウォッチ重大・クリティカル脆弱性のクラウド別対応まとめ
最新更新履歴CriticalHigh回避策のみパッチありAWSGCPAzureLinux
High CVSS 7.8 KEV 悪用確認
CVE-2025-38352

Linux カーネル POSIX CPU タイマの競合で権限昇格(Android でも悪用確認)

情報取得日: 2025/09/04/最終確認: 2026/08/15・本ページは公開情報の非公式まとめです

CVE IDCVE-2025-38352
製品Linux / Linux Kernel
CVSS7.8(High)
CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H
種別 (CWE)CWE-367 TOCTOU 競合状態
登録/公開日2025/09/04
KEV 期限2025/09/25 まで(米国連邦機関向け目安)
推奨対応ベンダーの指示に従って緩和策を適用し、クラウドサービスについては該当する BOD 22-01 のガイダンスに従うこと。緩和策が無い場合は当該製品の使用を停止すること。
出典https://nvd.nist.gov/vuln/detail/CVE-2025-38352

概要

Linux カーネルの posix-cpu-timers に競合状態がある。exit_notify() を通過した終了中のタスクが IRQ から handle_posix_cpu_timers() を呼ぶと、unlock_task_sighand() の直後に親やデバッガに回収され得る。この瞬間に posix_cpu_timer_del() が並行して走ると timer->it.cpu.firing != 0 を検知できず、状態不整合が起きる。修正は run_posix_cpu_timers() に tsk->exit_state の確認を追加するもので、CONFIG_POSIX_CPU_TIMERS_TASK_WORK=y のカーネルでは exit_task_work() が exit_notify() より先に呼ばれるためこの修正は不要とされている。CVSS は評価元で分かれており、カーネルの CNA は 7.8 High(AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H)、CISA-ADP は 7.4 High(AV:L/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H)で、攻撃条件の複雑さ(AC:L か AC:H)と権限要求の見方が異なる。NVD 自身の Primary スコアは付いていない。影響範囲は 2.6.36 以降で、修正済みは 5.4.295 / 5.10.239 / 5.15.186 / 6.1.142 / 6.6.94 / 6.12.34 / 6.15.3 以降。CISA KEV には 2025-09-04 に収載され、是正期限は 2025-09-25。Android の 2025年9月セキュリティ速報でも扱われており、実際の悪用は主に Android 端末に対するローカル権限昇格として観測されている。

クラウド/OS 別の対応状況

各ベンダー公式アドバイザリで確認できた事実に基づき整理しています。確認できていない項目は「情報確認中」と明記し、存在しないパッチ番号・バージョンは記載しません。

AWS / GCP / Azure / Linux いずれも対応区分は同じです: ディストリ修正あり 下の表は環境ごとの補足です。
環境対応状況対応方法・備考
AWS (ECS/EC2) ディストリ修正あり
EC2 / EKS ノードのカーネルを修正版(5.4.295 / 5.10.239 / 5.15.186 / 6.1.142 / 6.6.94 / 6.12.34 / 6.15.3 以降)へ更新して再起動する
AWS 側のマネージドサービスの欠陥ではない。ローカル権限昇格なので、外部ユーザーがコードを実行できるビルドノードやマルチテナントノードを優先する。
参照リンク
GCP ディストリ修正あり
Compute Engine / GKE ノードのカーネルを修正版へ更新して再起動する
Android 版の対応は Android セキュリティ速報 2025-09-01 に含まれる。GKE はノードプールのアップグレードで取り込む。
参照リンク
Azure ディストリ修正あり
Azure VM / AKS ノードのカーネルを修正版へ更新して再起動する
Update Manager でのカーネル更新と再起動、AKS はノードイメージのアップグレードで対応する。
参照リンク
Linux ディストリ修正あり
上流コミット 2c72fe18 を含むカーネルへ更新する。Debian は debian-lts-announce 2025/10 のアナウンスで修正済み
CONFIG_POSIX_CPU_TIMERS_TASK_WORK=y のカーネルはこの経路の影響を受けないと上流が明記している。/boot/config-$(uname -r) で確認できる。
参照リンク

解決の方向性(パッチ/回避策/代替)

サーバ側の対応はカーネル更新に尽きる。判定は uname -r を集め、系列ごとに修正版(5.4.295 / 5.10.239 / 5.15.186 / 6.1.142 / 6.6.94 / 6.12.34 / 6.15.3)未満なら該当と見る。ディストリカーネルは独自リビジョンが付くので、最終判断は Ubuntu / Red Hat / Debian の CVE トラッカーで当該 CVE が Fixed かどうかで行う。もう1つ確認する価値があるのは CONFIG_POSIX_CPU_TIMERS_TASK_WORK の値である。上流のコミットメッセージが「この修正は CONFIG_POSIX_CPU_TIMERS_TASK_WORK=y では不要」と明言しているため、/boot/config-$(uname -r) や /proc/config.gz を見てこの設定が y になっているカーネルなら、この経路のリスクは低いと判断できる(ただし設定確認は判断材料であって、更新の代替ではない)。攻撃前提はローカルコード実行なので、緩和の方向は「非特権ユーザーにコード実行させない」ことになる。マルチテナントで一般ユーザーにシェルを配っている環境、ユーザー投稿コードを実行するビルド/CI ノード、Android 端末が実際のリスク面である。逆に、単一用途のアプリサーバで対話ログインを絞っている環境の優先度は相対的に下がる。完了条件は、全ノードの稼働カーネルが修正版以上(更新後の再起動まで完了)であること。Android を業務端末として管理しているなら、2025年9月以降のセキュリティパッチレベルが当たっているかを MDM で確認する作業が別途必要になる。KEV 是正期限 2025-09-25 は経過済みのため、未更新ノードは期限超過として扱う。

よくある質問(CVE-2025-38352)

CVE-2025-38352(Linux Kernel)の影響は?

High(CVSS 7.8)に分類されるLinux Linux Kernelの脆弱性です。Linux カーネルの posix-cpu-timers に競合状態がある。exit_notify() を通過した終了中のタスクが IRQ から handle_posix_cpu_timers() を呼ぶと、unlock_task_sighand() の直後に親やデバッガに回収され得る。この瞬間に posix_cpu_timer_del() が並行して走ると timer->it.cpu.firing != 0 を検知できず、状態不整合が起きる。修正は run_posix_cpu_timers() に tsk->exit_state の確認を追加するもので、CONFIG_POSIX_CPU_TIMERS_TASK_WORK=y のカーネルでは exit_task_work() が exit_notify() より先に呼ばれるためこの修正は不要とされている。CVSS は評価元で分かれており、カーネルの CNA は 7.8 High(AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H)、CISA-ADP は 7.4 High(AV:L/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H)で、攻撃条件の複雑さ(AC:L か AC:H)と権限要求の見方が異なる。NVD 自身の Primary スコアは付いていない。影響範囲は 2.6.36 以降で、修正済みは 5.4.295 / 5.10.239 / 5.15.186 / 6.1.142 / 6.6.94 / 6.12.34 / 6.15.3 以降。CISA KEV には 2025-09-04 に収載され、是正期限は 2025-09-25。Android の 2025年9月セキュリティ速報でも扱われており、実際の悪用は主に Android 端末に対するローカル権限昇格として観測されている。

CVE-2025-38352 の対応方法・回避策は?

サーバ側の対応はカーネル更新に尽きる。判定は uname -r を集め、系列ごとに修正版(5.4.295 / 5.10.239 / 5.15.186 / 6.1.142 / 6.6.94 / 6.12.34 / 6.15.3)未満なら該当と見る。ディストリカーネルは独自リビジョンが付くので、最終判断は Ubuntu / Red Hat / Debian の CVE トラッカーで当該 CVE が Fixed かどうかで行う。もう1つ確認する価値があるのは CONFIG_POSIX_CPU_TIMERS_TASK_WORK の値である。上流のコミットメッセージが「この修正は CONFIG_POSIX_CPU_TIMERS_TASK_WORK=y では不要」と明言しているため、/boot/config-$(uname -r) や /proc/config.gz を見てこの設定が y になっているカーネルなら、この経路のリスクは低いと判断できる(ただし設定確認は判断材料であって、更新の代替ではない)。攻撃前提はローカルコード実行なので、緩和の方向は「非特権ユーザーにコード実行させない」ことになる。マルチテナントで一般ユーザーにシェルを配っている環境、ユーザー投稿コードを実行するビルド/CI ノード、Android 端末が実際のリスク面である。逆に、単一用途のアプリサーバで対話ログインを絞っている環境の優先度は相対的に下がる。完了条件は、全ノードの稼働カーネルが修正版以上(更新後の再起動まで完了)であること。Android を業務端末として管理しているなら、2025年9月以降のセキュリティパッチレベルが当たっているかを MDM で確認する作業が別途必要になる。KEV 是正期限 2025-09-25 は経過済みのため、未更新ノードは期限超過として扱う。

自分の環境が CVE-2025-38352 の影響を受けるか確認するには?

Linux Linux Kernel を利用している場合、稼働バージョンが影響範囲に含まれるかを一次情報(https://nvd.nist.gov/vuln/detail/CVE-2025-38352)で確認してください。AWS・GCP・Azure・Linux それぞれの対応状況は本ページの「クラウド/OS 別の対応状況」表にまとめています。確認できていない項目は「情報確認中」と明記しており、存在しないパッチ番号・バージョンは記載していません。

CVE-2025-38352 は実際に悪用されている?

はい。CISA の既知の悪用された脆弱性カタログ(KEV)に登録されており、実環境での悪用が確認されています。米国連邦機関向けの対応期限の目安は 2025/09/25 です。推奨される対応: ベンダーの指示に従って緩和策を適用し、クラウドサービスについては該当する BOD 22-01 のガイダンスに従うこと。緩和策が無い場合は当該製品の使用を停止すること。

参考情報(出典)

本ページの記載は下記の一次情報に基づく非公式まとめです。数値・対応状況は各出典元で最終確認してください(最終確認: 2026/08/15)。

免責: 本ページは CISA KEV・NVD・各ベンダー公式アドバイザリ等の公開情報をもとにした非公式まとめです。修正バージョンや対応可否は変更される場合があります。実際の対応は必ず 出典元および各ベンダー公式情報・自環境で確認してください。

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