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High CVSS 7.8 NEW KEV 悪用確認
CVE-2022-0995

Linux カーネル watch_queue の境界外書き込みでローカル権限昇格

情報取得日: 2026/08/31/最終確認: 2026/08/31・本ページは公開情報の非公式まとめです

CVE IDCVE-2022-0995
製品Linux / Linux カーネルの watch_queue イベント通知サブシステム。アップストリームでは 2022 年 3 月のコミット 93ce93587d36 で修正済み。ディストリごとの修正版は各トラッカーを参照。
CVSS7.8(High)
CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H
種別 (CWE)CWE-787 境界外書き込み(Out-of-bounds Write)
登録/公開日2026/08/31
KEV 期限2026/09/09 まで(米国連邦機関向け目安)
出典https://nvd.nist.gov/vuln/detail/CVE-2022-0995

概要

Linux カーネルの **watch_queue イベント通知サブシステム**に境界外書き込み(OOB write)の欠陥がある。NVD の記述は「この欠陥はカーネルの状態の一部を上書きしうるもので、ローカル利用者が特権的なアクセスを得るか、システムをサービス拒否に陥らせる可能性がある」としている。 CVSS は NVD の主評価で 3.1 の 7.8(High)、ベクタは AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H である。**攻撃元はローカル(AV:L)で、必要な権限は Low、利用者の操作は不要。機密性・完全性・可用性がすべて High** に振れている。典型的なローカル権限昇格の形である。 **この CVE の要点は日付にある。**NVD での公開は 2022-03-25 で、アップストリームの修正コミット 93ce93587d36 も同時期に入っている。**4年以上前に修正されたものが、2026-08-26 に CISA の KEV カタログへ追加された(是正期限 2026-09-09)。**つまり、いまも塞がれていない環境が実際に狙われているということである。 **なぜ4年前の欠陥が今なのか。**watch_queue はカーネルの機能としては新しめの部類で、有効になっているかどうかがビルド構成に依存する。加えて、この種のローカル権限昇格は単体で侵入経路にはならず、**別の手段で一般利用者の権限を取ったあとの「次の一手」として使われる**。つまり攻撃の連鎖の中間部品であり、初期侵入の統計には現れにくい。長く生き残る理由がここにある。 **Ubuntu の対応状況が、この欠陥の分布を具体的に示している。**Ubuntu Security の CVE ページによれば、修正済みなのは 22.04 LTS(jammy)の linux 5.15.0-138.148、linux-aws 5.15.0-1082.89、linux-azure 5.15.0-1087.96 と、20.04 LTS(focal)の linux-aws-5.15 5.15.0-1082.89~20.04.1、linux-hwe-5.15 5.15.0-138.148~20.04.1 である。一方、24.04 LTS(noble)以降の新しいリリースは軒並み **not affected**(該当せず)と判定されている。**問題は 5.15 系カーネルを使い続けている環境に集中している**という読み方ができる。 報告者は Jann Horn である。NVD の参照には Red Hat の Bugzilla(2063786)、アップストリームの git コミット、NetApp のアドバイザリ、および Packet Storm に上がった実証コード2件が含まれている。**実証コードが公開されている**ことは、KEV 収載と合わせて読むべき事実である。

クラウド/OS 別の対応状況

各ベンダー公式アドバイザリで確認できた事実に基づき整理しています。確認できていない項目は「情報確認中」と明記し、存在しないパッチ番号・バージョンは記載しません。

AWS / GCP / Azure / Linux いずれも対応区分は同じです: ディストリ修正あり 下の表は環境ごとの補足です。
環境対応状況対応方法・備考
AWS (ECS/EC2) ディストリ修正あり
Ubuntu の linux-aws を 5.15.0-1082.89(22.04 LTS)または 5.15.0-1082.89~20.04.1(20.04 LTS)以降へ更新し、再起動する。Amazon Linux は各リリースの ALAS を確認する。
AWS 固有の修正ではなく、ディストリのカーネル更新である。EC2 の場合、更新後の再起動が必須。Auto Scaling グループを使っているなら、更新済み AMI へ入れ替えてローリング置換するほうが停止時間を抑えられる。マネージドサービス(Lambda / Fargate / RDS 等)はホストカーネルを利用者が管理しないため、この CVE の直接の対象ではない。
参照リンク
GCP ディストリ修正あり
Compute Engine のインスタンスで、ディストリのカーネル更新(Ubuntu なら linux 5.15.0-138.148 以降)を適用して再起動する。GKE はノードプールのアップグレードで対応する。
GCP からの本 CVE 個別のセキュリティ速報は確認できていない(2026-08-31 時点)。GKE の場合、ノードの自動アップグレードを有効にしていれば新しいノードイメージで置き換わるが、適用時期はチャンネルに依存するため、KEV の期限を意識するなら手動アップグレードを検討する。Container-Optimized OS は 5.15 系より新しいカーネルを使う構成が多く、Ubuntu の判定に照らすと該当しない可能性が高いが、実際のカーネル版で確認すること。
参照リンク
Azure ディストリ修正あり
Ubuntu の linux-azure を 5.15.0-1087.96 以降へ更新して再起動する。AKS はノードイメージのアップグレードで対応する。
Azure 固有の修正ではなく、Azure 向けカーネルパッケージ(linux-azure)の更新である。Ubuntu Security のページで linux-azure 5.15.0-1087.96 が修正版として明示されている(2026-08-31 時点で確認)。AKS はノードイメージのアップグレードが必要で、Pod の退避を伴う。
参照リンク
Linux ディストリ修正あり
Ubuntu 22.04 LTS は linux 5.15.0-138.148 以降、20.04 LTS で HWE カーネルを使っている場合は linux-hwe-5.15 5.15.0-138.148~20.04.1 以降へ更新して再起動する。Red Hat 系は Bugzilla 2063786 に紐づく RHSA を確認する。
Ubuntu Security の判定では 24.04 LTS(noble)以降と 23.10 / 23.04 / 18.04 LTS / 16.04 LTS / 14.04 LTS の多くのパッケージが not affected とされている(2026-08-31 時点)。影響は 5.15 系カーネルに集中しているという読み方ができるが、自環境の実際のカーネル版で必ず確認すること。アップストリームの修正はコミット 93ce93587d36 である。
参照リンク

解決の方向性(パッチ/回避策/代替)

対応はカーネルの更新である。**アップストリームのコミット 93ce93587d36 を含むバージョンへ上げる**か、ディストリが出している修正版パッケージを適用する。 **まず自分の環境が該当するかを確かめること。**Ubuntu の判定では 24.04 LTS 以降が not affected とされており、影響は 5.15 系を使い続けている環境(22.04 LTS、および HWE カーネルを入れた 20.04 LTS)に集中している。`uname -r` でカーネル版を確認し、Ubuntu なら linux 5.15.0-138.148 以降、linux-aws なら 5.15.0-1082.89 以降、linux-azure なら 5.15.0-1087.96 以降になっているかを見る。Red Hat 系は Bugzilla 2063786 と対応する RHSA を確認する。 **カーネル更新は再起動が要る。**ここが実務上の最大の障害で、4年前の修正がいまも塞がれていない環境がある理由でもある。**KEV に収載され是正期限が 2026-09-09 と示されている以上、再起動の調整を理由に無期限に先送りできる案件ではない**と扱うこと。ライブパッチの仕組みを使っている環境では、その提供状況をベンダに確認する。 **更新までのあいだの手当てとして、watch_queue の到達性を絞る手がある。**この欠陥はカーネルの watch_queue サブシステムに到達できることが前提なので、そもそもこの機能を有効にしていないカーネル構成であれば成立しない。自ビルドのカーネルを使っている場合は、該当の設定を確認する価値がある。ただしディストリ提供のカーネルでは構成を選べないため、大半の環境ではこれは選択肢にならない。 **より効くのは、前段を断つことである。**AV:L・PR:L なので、成立には既にそのマシン上で一般利用者の権限を持っていることが要る。コンテナから抜け出す経路、共有ホストへの一般利用者アカウント、Web アプリケーションからのコマンド実行といった「一般権限を取られる経路」を先に潰すことは、この CVE に対しても有効な多層防御になる。ただしこれは補助であって、更新の代わりではない。

よくある質問(CVE-2022-0995)

CVE-2022-0995(Linux カーネルの watch_queue イベント通知サブシステム。アップストリームでは 2022 年 3 月のコミット 93ce93587d36 で修正済み。ディストリごとの修正版は各トラッカーを参照。)の影響は?

High(CVSS 7.8)に分類されるLinux Linux カーネルの watch_queue イベント通知サブシステム。アップストリームでは 2022 年 3 月のコミット 93ce93587d36 で修正済み。ディストリごとの修正版は各トラッカーを参照。の脆弱性です。Linux カーネルの **watch_queue イベント通知サブシステム**に境界外書き込み(OOB write)の欠陥がある。NVD の記述は「この欠陥はカーネルの状態の一部を上書きしうるもので、ローカル利用者が特権的なアクセスを得るか、システムをサービス拒否に陥らせる可能性がある」としている。 CVSS は NVD の主評価で 3.1 の 7.8(High)、ベクタは AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H である。**攻撃元はローカル(AV:L)で、必要な権限は Low、利用者の操作は不要。機密性・完全性・可用性がすべて High** に振れている。典型的なローカル権限昇格の形である。 **この CVE の要点は日付にある。**NVD での公開は 2022-03-25 で、アップストリームの修正コミット 93ce93587d36 も同時期に入っている。**4年以上前に修正されたものが、2026-08-26 に CISA の KEV カタログへ追加された(是正期限 2026-09-09)。**つまり、いまも塞がれていない環境が実際に狙われているということである。 **なぜ4年前の欠陥が今なのか。**watch_queue はカーネルの機能としては新しめの部類で、有効になっているかどうかがビルド構成に依存する。加えて、この種のローカル権限昇格は単体で侵入経路にはならず、**別の手段で一般利用者の権限を取ったあとの「次の一手」として使われる**。つまり攻撃の連鎖の中間部品であり、初期侵入の統計には現れにくい。長く生き残る理由がここにある。 **Ubuntu の対応状況が、この欠陥の分布を具体的に示している。**Ubuntu Security の CVE ページによれば、修正済みなのは 22.04 LTS(jammy)の linux 5.15.0-138.148、linux-aws 5.15.0-1082.89、linux-azure 5.15.0-1087.96 と、20.04 LTS(focal)の linux-aws-5.15 5.15.0-1082.89~20.04.1、linux-hwe-5.15 5.15.0-138.148~20.04.1 である。一方、24.04 LTS(noble)以降の新しいリリースは軒並み **not affected**(該当せず)と判定されている。**問題は 5.15 系カーネルを使い続けている環境に集中している**という読み方ができる。 報告者は Jann Horn である。NVD の参照には Red Hat の Bugzilla(2063786)、アップストリームの git コミット、NetApp のアドバイザリ、および Packet Storm に上がった実証コード2件が含まれている。**実証コードが公開されている**ことは、KEV 収載と合わせて読むべき事実である。

CVE-2022-0995 の対応方法・回避策は?

対応はカーネルの更新である。**アップストリームのコミット 93ce93587d36 を含むバージョンへ上げる**か、ディストリが出している修正版パッケージを適用する。 **まず自分の環境が該当するかを確かめること。**Ubuntu の判定では 24.04 LTS 以降が not affected とされており、影響は 5.15 系を使い続けている環境(22.04 LTS、および HWE カーネルを入れた 20.04 LTS)に集中している。`uname -r` でカーネル版を確認し、Ubuntu なら linux 5.15.0-138.148 以降、linux-aws なら 5.15.0-1082.89 以降、linux-azure なら 5.15.0-1087.96 以降になっているかを見る。Red Hat 系は Bugzilla 2063786 と対応する RHSA を確認する。 **カーネル更新は再起動が要る。**ここが実務上の最大の障害で、4年前の修正がいまも塞がれていない環境がある理由でもある。**KEV に収載され是正期限が 2026-09-09 と示されている以上、再起動の調整を理由に無期限に先送りできる案件ではない**と扱うこと。ライブパッチの仕組みを使っている環境では、その提供状況をベンダに確認する。 **更新までのあいだの手当てとして、watch_queue の到達性を絞る手がある。**この欠陥はカーネルの watch_queue サブシステムに到達できることが前提なので、そもそもこの機能を有効にしていないカーネル構成であれば成立しない。自ビルドのカーネルを使っている場合は、該当の設定を確認する価値がある。ただしディストリ提供のカーネルでは構成を選べないため、大半の環境ではこれは選択肢にならない。 **より効くのは、前段を断つことである。**AV:L・PR:L なので、成立には既にそのマシン上で一般利用者の権限を持っていることが要る。コンテナから抜け出す経路、共有ホストへの一般利用者アカウント、Web アプリケーションからのコマンド実行といった「一般権限を取られる経路」を先に潰すことは、この CVE に対しても有効な多層防御になる。ただしこれは補助であって、更新の代わりではない。

自分の環境が CVE-2022-0995 の影響を受けるか確認するには?

Linux Linux カーネルの watch_queue イベント通知サブシステム。アップストリームでは 2022 年 3 月のコミット 93ce93587d36 で修正済み。ディストリごとの修正版は各トラッカーを参照。 を利用している場合、稼働バージョンが影響範囲に含まれるかを一次情報(https://nvd.nist.gov/vuln/detail/CVE-2022-0995)で確認してください。AWS・GCP・Azure・Linux それぞれの対応状況は本ページの「クラウド/OS 別の対応状況」表にまとめています。確認できていない項目は「情報確認中」と明記しており、存在しないパッチ番号・バージョンは記載していません。

CVE-2022-0995 は実際に悪用されている?

はい。CISA の既知の悪用された脆弱性カタログ(KEV)に登録されており、実環境での悪用が確認されています。米国連邦機関向けの対応期限の目安は 2026/09/09 です。早急な対応が推奨されます。

参考情報(出典)

本ページの記載は下記の一次情報に基づく非公式まとめです。数値・対応状況は各出典元で最終確認してください(最終確認: 2026/08/31)。

免責: 本ページは CISA KEV・NVD・各ベンダー公式アドバイザリ等の公開情報をもとにした非公式まとめです。修正バージョンや対応可否は変更される場合があります。実際の対応は必ず 出典元および各ベンダー公式情報・自環境で確認してください。

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