情報取得日: 2026/08/27・本ページは公開情報の非公式まとめです
| CVE ID | CVE-2026-53362 |
|---|---|
| 製品 | Linux / Linux カーネル本体の IPv6 送信経路(net/ipv6/ip6_output.c の __ip6_append_data)。上流では 7.2-rc1 および安定版 6.8.y / 6.17.y / 7.0.y で修正済み。Red Hat は RHEL 10 系のみ該当(RHEL 6〜9 は Not affected)、Ubuntu は noble 以降が該当(trusty/xenial/bionic/focal/jammy は not-affected)。 |
| CVSS | 7.8(High) CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H |
| 種別 (CWE) | CWE-787 領域外書き込み |
| 登録/公開日 | 2026/08/27 |
| KEV 期限 | 2026/08/30 まで(米国連邦機関向け目安) |
| 出典 | https://nvd.nist.gov/vuln/detail/CVE-2026-53362 |
Linux カーネルの IPv6 送信経路にある __ip6_append_data() の、ページ確保を伴う分岐(MSG_MORE 指定時・NETIF_F_SG 対応 NIC・大きな fraglen のいずれか)で確保長の計算が誤っており、権限昇格に至る。上流のコミットメッセージによれば、この分岐では alloclen = fragheaderlen + transhdrlen、pagedlen = datalen - transhdrlen として長さを決めているが、datalen は datalen = length + fraggap として既に fraggap を含んでいる。fraggap(直前のスキップバッファから引き継ぐ端数)が 0 でないとき、確保した領域に対して書き込む量のほうが多くなる。 CISA はこれを「IPv6 ネットワークサブシステム経由で権限昇格を許す Linux カーネルの脆弱性」とし、SUSE・Red Hat をはじめ Linux を用いる複数の製品に影響しうると記載している。2026-08-27 に KEV へ収載され、是正期限は 2026-08-30 と3日しかない(カタログ 2026.08.27 で確認)。ランサムウェアでの利用は Unknown とされている。 CVSS は NVD・Red Hat とも 3.1 で 7.8(High / Red Hat の格付けは Important)、ベクタは AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H である。ローカル(AV:L)かつ低権限(PR:L)が要る一方、利用者操作は不要(UI:N)で、機密性・完全性・可用性がいずれも High に振れている。踏み台を取られた後の権限昇格に使われる型であり、単体でリモートから侵入されるものではない。 影響範囲で注意が要るのは、古いカーネルほど安全という点である。Red Hat は RHEL 6・7・8・9 をいずれも Not affected とし、該当するのは RHEL 10 系だけである。Ubuntu も trusty・xenial・bionic・focal・jammy を not-affected とし、noble が needed、resolute が pending(7.0.0-31.31)、questing は EOL のため ignored としている(優先度は high)。Debian は bookworm を 6.1.177-1 で修正済み(セキュリティ更新は 6.1.180-1)、bullseye は unimportant として resolved 扱いである。つまり「LTS を使っているから無関係」という判断は成り立たず、比較的新しいカーネルへ上げた環境ほど該当しやすい。 NVD 上の公開は 2026-07-04、最終更新は 2026-08-28 で、状態は Modified である。修正コミットは git.kernel.org の stable ツリーに複数枝ぶん公開されている。
各ベンダー公式アドバイザリで確認できた事実に基づき整理しています。確認できていない項目は「情報確認中」と明記し、存在しないパッチ番号・バージョンは記載しません。
| 環境 | 対応状況 | 対応方法・備考 |
|---|---|---|
| AWS (ECS/EC2) | ベンダーFW更新 |
EC2 の自己管理インスタンスは、ディストリのカーネル更新(RHEL 10 は RHSA-2026:34911 / Ubuntu noble は提供待ち / Debian bookworm は 6.1.177-1 以降)を適用して再起動する。
EKS のマネージドノードグループや Karpenter で回しているノードは、修正入りの AMI へローリング置換するのが実務的である。Amazon Linux 側の該当 ALAS は本稿の確認時点(2026-08-28)では特定できていないため、Amazon Linux を使っている場合はディストリ判定ではなく ALAS の告知で該当可否を確認すること。
参照リンク
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| GCP | ベンダーFW更新 |
Compute Engine の自己管理インスタンスは、ディストリのカーネル更新を適用して再起動する。
GKE は Container-Optimized OS / Ubuntu ノードイメージの更新でノードを入れ替える。ノード自動アップグレードを有効にしている場合でも、是正期限が 2026-08-30 と短いので、リリースチャンネルの適用時期を待つのか手動でアップグレードするのかを先に決めておく。
参照リンク
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| Azure | ベンダーFW更新 |
Azure VM の自己管理インスタンスは、ディストリのカーネル更新を適用して再起動する。
AKS はノードイメージのアップグレードでノードを入れ替える。共有開発環境や非特権ユーザにシェルを配っている VM を先に処理する。
参照リンク
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| Linux | パッチあり(アプリ更新) |
上流は 7.2-rc1 および安定版 6.8.y / 6.17.y / 7.0.y で修正済み。Red Hat は RHEL 10 が RHSA-2026:34911(kernel-6.12.0-211.30.1.el10_2)、10.0 EUS が RHSA-2026:35840、再起動を避けたい場合は kpatch(RHSA-2026:43826)。Debian は bookworm 6.1.177-1(セキュリティ更新 6.1.180-1)で修正済み。
RHEL 6〜9 は Red Hat が Not affected と判定している。Ubuntu は trusty/xenial/bionic/focal/jammy が not-affected、noble が needed、resolute が pending(7.0.0-31.31)、questing は EOL のため ignored(優先度 high)。古い系列ほど影響を受けないので、系列を確認せずに一律で緊急扱いにしないこと。
参照リンク
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是正期限が 2026-08-30 と極めて短いので、まず該当するかどうかの切り分けを先に済ませる。 切り分けの順序は、①カーネル系列を見る、②ディストリの判定を見る、の2段でよい。上流で修正が入ったのは 7.2-rc1 と安定版 6.8.y / 6.17.y / 7.0.y なので、これらより前の該当系列を使っていれば候補である。次にディストリの判定を当てる。RHEL なら 6〜9 は Not affected なので対象外、該当するのは RHEL 10 系だけである。Ubuntu なら jammy 以前は not-affected で、noble 以降が対象になる。Debian なら bookworm は 6.1.177-1 以降で解消しており、bullseye は unimportant 扱いである。 該当した場合の対処は、ディストリのカーネル更新と再起動である。RHEL 10 は RHSA-2026:34911(kernel-6.12.0-211.30.1.el10_2)、10.0 EUS は RHSA-2026:35840(kernel-6.12.0-55.86.1.el10_0)で修正されている。再起動を伴う停止が取りにくい環境では、Red Hat が kpatch も出している(RHSA-2026:43826)ので、まず kpatch で塞いでから計画停止で再起動する、という順序が取れる。Ubuntu noble は修正版の提供待ちが残っている状態なので、提供され次第の適用を予定に入れておく。 露出の評価をどう置くかを整理する。ベクタは AV:L・PR:L なので、外部から直接叩ける脆弱性ではない。実際の危険は、Web アプリの脆弱性やコンテナからの脱出などで一般ユーザ権限を取られた後に、これで root へ上がられることである。したがって「外向きのサーバではないから後回し」という判断は誤りやすい。マルチテナントのホスト、CI ランナー、非特権ユーザにシェルを配っている踏み台、共有開発サーバのように、低権限のコード実行が正規の機能として存在する環境こそ優先度が高い。 コンテナ環境ではホスト側のカーネルを見ること。コンテナイメージの中のカーネルパッケージを更新しても意味は無く、上げるべきはノードのカーネルである。マネージドなノードを使っている場合は、後述の各クラウドのノードイメージ更新に従う。 回避策として公表されているものは無い。IPv6 の無効化は攻撃面の縮小にはあたるが、上流やディストリが示した回避策ではないので、恒久策として扱わないこと。
High(CVSS 7.8)に分類されるLinux Linux カーネル本体の IPv6 送信経路(net/ipv6/ip6_output.c の __ip6_append_data)。上流では 7.2-rc1 および安定版 6.8.y / 6.17.y / 7.0.y で修正済み。Red Hat は RHEL 10 系のみ該当(RHEL 6〜9 は Not affected)、Ubuntu は noble 以降が該当(trusty/xenial/bionic/focal/jammy は not-affected)。の脆弱性です。Linux カーネルの IPv6 送信経路にある __ip6_append_data() の、ページ確保を伴う分岐(MSG_MORE 指定時・NETIF_F_SG 対応 NIC・大きな fraglen のいずれか)で確保長の計算が誤っており、権限昇格に至る。上流のコミットメッセージによれば、この分岐では alloclen = fragheaderlen + transhdrlen、pagedlen = datalen - transhdrlen として長さを決めているが、datalen は datalen = length + fraggap として既に fraggap を含んでいる。fraggap(直前のスキップバッファから引き継ぐ端数)が 0 でないとき、確保した領域に対して書き込む量のほうが多くなる。 CISA はこれを「IPv6 ネットワークサブシステム経由で権限昇格を許す Linux カーネルの脆弱性」とし、SUSE・Red Hat をはじめ Linux を用いる複数の製品に影響しうると記載している。2026-08-27 に KEV へ収載され、是正期限は 2026-08-30 と3日しかない(カタログ 2026.08.27 で確認)。ランサムウェアでの利用は Unknown とされている。 CVSS は NVD・Red Hat とも 3.1 で 7.8(High / Red Hat の格付けは Important)、ベクタは AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H である。ローカル(AV:L)かつ低権限(PR:L)が要る一方、利用者操作は不要(UI:N)で、機密性・完全性・可用性がいずれも High に振れている。踏み台を取られた後の権限昇格に使われる型であり、単体でリモートから侵入されるものではない。 影響範囲で注意が要るのは、古いカーネルほど安全という点である。Red Hat は RHEL 6・7・8・9 をいずれも Not affected とし、該当するのは RHEL 10 系だけである。Ubuntu も trusty・xenial・bionic・focal・jammy を not-affected とし、noble が needed、resolute が pending(7.0.0-31.31)、questing は EOL のため ignored としている(優先度は high)。Debian は bookworm を 6.1.177-1 で修正済み(セキュリティ更新は 6.1.180-1)、bullseye は unimportant として resolved 扱いである。つまり「LTS を使っているから無関係」という判断は成り立たず、比較的新しいカーネルへ上げた環境ほど該当しやすい。 NVD 上の公開は 2026-07-04、最終更新は 2026-08-28 で、状態は Modified である。修正コミットは git.kernel.org の stable ツリーに複数枝ぶん公開されている。
是正期限が 2026-08-30 と極めて短いので、まず該当するかどうかの切り分けを先に済ませる。 切り分けの順序は、①カーネル系列を見る、②ディストリの判定を見る、の2段でよい。上流で修正が入ったのは 7.2-rc1 と安定版 6.8.y / 6.17.y / 7.0.y なので、これらより前の該当系列を使っていれば候補である。次にディストリの判定を当てる。RHEL なら 6〜9 は Not affected なので対象外、該当するのは RHEL 10 系だけである。Ubuntu なら jammy 以前は not-affected で、noble 以降が対象になる。Debian なら bookworm は 6.1.177-1 以降で解消しており、bullseye は unimportant 扱いである。 該当した場合の対処は、ディストリのカーネル更新と再起動である。RHEL 10 は RHSA-2026:34911(kernel-6.12.0-211.30.1.el10_2)、10.0 EUS は RHSA-2026:35840(kernel-6.12.0-55.86.1.el10_0)で修正されている。再起動を伴う停止が取りにくい環境では、Red Hat が kpatch も出している(RHSA-2026:43826)ので、まず kpatch で塞いでから計画停止で再起動する、という順序が取れる。Ubuntu noble は修正版の提供待ちが残っている状態なので、提供され次第の適用を予定に入れておく。 露出の評価をどう置くかを整理する。ベクタは AV:L・PR:L なので、外部から直接叩ける脆弱性ではない。実際の危険は、Web アプリの脆弱性やコンテナからの脱出などで一般ユーザ権限を取られた後に、これで root へ上がられることである。したがって「外向きのサーバではないから後回し」という判断は誤りやすい。マルチテナントのホスト、CI ランナー、非特権ユーザにシェルを配っている踏み台、共有開発サーバのように、低権限のコード実行が正規の機能として存在する環境こそ優先度が高い。 コンテナ環境ではホスト側のカーネルを見ること。コンテナイメージの中のカーネルパッケージを更新しても意味は無く、上げるべきはノードのカーネルである。マネージドなノードを使っている場合は、後述の各クラウドのノードイメージ更新に従う。 回避策として公表されているものは無い。IPv6 の無効化は攻撃面の縮小にはあたるが、上流やディストリが示した回避策ではないので、恒久策として扱わないこと。
Linux Linux カーネル本体の IPv6 送信経路(net/ipv6/ip6_output.c の __ip6_append_data)。上流では 7.2-rc1 および安定版 6.8.y / 6.17.y / 7.0.y で修正済み。Red Hat は RHEL 10 系のみ該当(RHEL 6〜9 は Not affected)、Ubuntu は noble 以降が該当(trusty/xenial/bionic/focal/jammy は not-affected)。 を利用している場合、稼働バージョンが影響範囲に含まれるかを一次情報(https://nvd.nist.gov/vuln/detail/CVE-2026-53362)で確認してください。AWS・GCP・Azure・Linux それぞれの対応状況は本ページの「クラウド/OS 別の対応状況」表にまとめています。確認できていない項目は「情報確認中」と明記しており、存在しないパッチ番号・バージョンは記載していません。
はい。CISA の既知の悪用された脆弱性カタログ(KEV)に登録されており、実環境での悪用が確認されています。米国連邦機関向けの対応期限の目安は 2026/08/30 です。早急な対応が推奨されます。
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