脆弱性対応ウォッチ重大・クリティカル脆弱性のクラウド別対応まとめ
最新更新履歴CriticalHigh回避策のみパッチありAWSGCPAzureLinux
Critical CVSS 9.9
CVE-2026-72765

n8n の式評価にサンドボックス脱出、ワークフローを編集できる利用者がホストでOSコマンドを実行(2.31.5 / 2.32.1 で修正)

情報取得日: 2026/08/11/最終確認: 2026/09/02・本ページは公開情報の非公式まとめです

CVE IDCVE-2026-72765
製品n8n / n8n(自己ホスト型のワークフロー自動化ツール)。NVD の記述では 2.31.5 より前、および 2.32.1 より前が影響を受け、2.31.5 と 2.32.1 で修正されている。n8n Cloud ではなく、自分で立てている n8n が対象になる。
CVSS9.9(Critical)
CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:L/UI:N/S:C/C:H/I:H/A:H
種別 (CWE)CWE-693 保護機構の回避(サンドボックスの回避)
登録/公開日2026/08/11
出典https://nvd.nist.gov/vuln/detail/CVE-2026-72765

概要

n8n の式(expression)評価にサンドボックス脱出の欠陥がある。NVD の記述はこうである。「n8n の 2.31.5 より前、および 2.32.1 より前には、式評価にサンドボックス脱出の脆弱性が含まれる。ワークフローを作成または変更する権限を持つ認証済み利用者が、アロー関数の本体を使った式を細工することで式のサンドボックスを回避し、n8n を実行しているホスト上でシステムコマンドの実行を引き起こせる。この問題はバージョン 2.31.5 および 2.32.1 で修正されている」。 **何が破られているのかを一段だけ噛み砕く。**n8n のワークフローでは、ノードのパラメータに `{{ ... }}` の形で JavaScript の式を書ける。この式は本来サンドボックスの中で評価され、ファイルやプロセスに触れる能力は与えられていない。今回の欠陥は、**アロー関数の本体(arrow-function body)として書いた式が、そのサンドボックスの外へ抜けられる**というものである。抜けた先はホストの Node.js プロセスなので、そこから先はシステムコマンドの実行に届く。 **「認証が要る」を安全側に読み違えないこと。**CVSS のベクタは PR:L(低い権限が必要)で、必要なのは「ワークフローを作成または変更できるアカウント」である。ところが n8n の運用では、**ワークフローを編集できることは管理者権限ではなく、ふつうの業務権限**として配られている。自動化の設定を各チームに任せている組織では、編集者はしばしば十数人から数十人になる。つまりこの欠陥は「管理者しか触れない」類ではなく、**ワークフローを1本書ける全員がホストでコマンドを実行できる**という意味になる。 **スコープが変わる(S:C)点も重い。**サンドボックスという境界を越えて、その外側のホストへ影響が及ぶため、CVSS はスコープ変更ありと評価している。9.9 という値の大半はここから来ている。n8n は各種 SaaS の認証情報を保管して外部サービスへ接続するための道具なので、**ホストでのコマンド実行はそのまま保管された資格情報と接続先への到達可能性**を意味する。n8n 単体の被害では終わらない構造である。 **ベンダー側の記録との対応関係について。**n8n の GitHub セキュリティアドバイザリ GHSA-gv7g-jm28-cr3m は、影響版(2.32.0 以上 2.32.1 未満、および 2.31.5 未満)・修正版(2.31.5 / 2.32.1)・原因(アロー関数の本体による式サンドボックスの回避)が本 CVE の NVD 記述と一致する。ただし**同アドバイザリのページには CVE 番号が記載されていない**(2026-09-02 時点で「No known CVE」と表示される)。同一のものとして扱うのが自然だが、ここでは断定せず、両者の記載内容が一致していることだけを事実として記す。なお同アドバイザリの評価は CVSS 4.0 で 8.7(High)であり、NVD の CVSS 3.1 9.9(Critical)とは版も値も異なる。**版の違う指標を比較しないこと。**

クラウド/OS 別の対応状況

各ベンダー公式アドバイザリで確認できた事実に基づき整理しています。確認できていない項目は「情報確認中」と明記し、存在しないパッチ番号・バージョンは記載しません。

AWS / GCP / Azure / Linux いずれも対応区分は同じです: パッチあり(アプリ更新) 参照先も共通です(一次情報)。 下の表は環境ごとの補足です。
環境対応状況対応方法・備考
AWS (ECS/EC2) パッチあり(アプリ更新)
EC2 / ECS / EKS 上で自己ホストしている n8n を 2.31.5 または 2.32.1 以上へ更新する。コンテナで運用しているなら、イメージのタグを修正版へ上げて再デプロイする。AWS 側のマネージドサービスとして n8n が提供されているわけではないため、AWS の対応を待つ性質のものではない。
ECS / EKS では、タスク定義やマニフェストで `n8nio/n8n:latest` のような可変タグを使っていると、再デプロイのたびに実際の版が変わって追跡できない。修正版を明示したタグに固定してから上げること。
参照リンク
GCP パッチあり(アプリ更新)
Compute Engine / GKE / Cloud Run 上の n8n を 2.31.5 または 2.32.1 以上へ更新する。対応は AWS と同じで、クラウド側ではなくアプリケーション側の更新になる。
Cloud Run で動かしている場合、リビジョンを入れ替えても古いリビジョンへトラフィックが残っていると更新が効かない。トラフィックの割り当てが新しいリビジョンへ寄っていることを確認する。
参照リンク
Azure パッチあり(アプリ更新)
Azure VM / AKS / Container Apps 上の n8n を 2.31.5 または 2.32.1 以上へ更新する。こちらもプラットフォーム側の修正を待つものではない。
Container Apps のリビジョン運用は Cloud Run と同じ注意が要る。古いリビジョンが有効なままだと、更新したつもりで旧版が動き続ける。
参照リンク
Linux パッチあり(アプリ更新)
npm で導入している場合は 2.31.5 または 2.32.1 以上へ更新する。Docker Compose で立てている場合はイメージを修正版へ上げて再起動する。ディストリの標準リポジトリから入る種類のソフトウェアではないため、OS の更新では直らない。
更新後に `n8n --version`(またはコンテナ内で同等の確認)で実際の版が上がっていることを確かめる。あわせて、n8n プロセスの子プロセスに想定外のものが無いか、監査ログに身に覚えのないワークフローの作成・更新が無いかを見る。
参照リンク

解決の方向性(パッチ/回避策/代替)

対応は **n8n の更新**である。2.31 系を使っているなら **2.31.5** へ、2.32 系なら **2.32.1** へ上げる。どちらの系統に乗っているかで上げ先が違う点に注意する。 **まず、自分のところが対象かを確定させる。**対象は**自己ホストの n8n** である。Docker で立てているならイメージのタグを、npm で入れているなら `n8n --version` を確認する。マネージドの n8n Cloud を使っている場合は、更新はベンダー側の作業になる。 **更新できるまでのあいだの手当ては、編集権限を絞ることである。**この欠陥は「ワークフローを作成・変更できる」ことが成立条件なので、**その権限を持つアカウントを減らせば、成立しうる経路がそのぶん減る**。棚卸しの観点は3つある。①退職者・異動者のアカウントが編集権限のまま残っていないか。②検証用や共有アカウントが編集権限を持っていないか。③外部の協力者に一時的に渡した権限が閉じているか。これは緩和であって修正ではないが、更新までの時間を稼ぐという意味では効く。 **インターネットへ出しているなら、その必要性を再検討する。**n8n の管理画面を公開したまま運用している例は多い。ベクタは AV:N(ネットワーク)で、認証は要るが**認証情報が漏れた瞬間にホストでのコマンド実行まで直結する**構造になっている。VPN の内側へ入れる、あるいは IP 制限を掛けるだけで、必要な前提条件が1段増える。 **侵害の有無を見るなら、n8n プロセスの子プロセスを見る。**式の評価からシステムコマンドが起動されるので、n8n のプロセスから想定外の子プロセス(シェル、`curl`、`wget`、パッケージマネージャ等)が生えていないかが手掛かりになる。あわせて、身に覚えのないワークフローの作成・更新がないかを監査ログで確認する。**更新した後も、更新前に既に踏まれていた可能性は消えない**ので、`N8N_ENCRYPTION_KEY` と n8n に保管している各サービスの資格情報については、侵害の疑いがある場合は再発行を検討する。

よくある質問(CVE-2026-72765)

CVE-2026-72765(n8n)の影響は?

Critical(CVSS 9.9)に分類されるn8n n8n(自己ホスト型のワークフロー自動化ツール)。NVD の記述では 2.31.5 より前、および 2.32.1 より前が影響を受け、2.31.5 と 2.32.1 で修正されている。n8n Cloud ではなく、自分で立てている n8n が対象になる。の脆弱性です。n8n の式(expression)評価にサンドボックス脱出の欠陥がある。NVD の記述はこうである。「n8n の 2.31.5 より前、および 2.32.1 より前には、式評価にサンドボックス脱出の脆弱性が含まれる。ワークフローを作成または変更する権限を持つ認証済み利用者が、アロー関数の本体を使った式を細工することで式のサンドボックスを回避し、n8n を実行しているホスト上でシステムコマンドの実行を引き起こせる。この問題はバージョン 2.31.5 および 2.32.1 で修正されている」。 **何が破られているのかを一段だけ噛み砕く。**n8n のワークフローでは、ノードのパラメータに `{{ ... }}` の形で JavaScript の式を書ける。この式は本来サンドボックスの中で評価され、ファイルやプロセスに触れる能力は与えられていない。今回の欠陥は、**アロー関数の本体(arrow-function body)として書いた式が、そのサンドボックスの外へ抜けられる**というものである。抜けた先はホストの Node.js プロセスなので、そこから先はシステムコマンドの実行に届く。 **「認証が要る」を安全側に読み違えないこと。**CVSS のベクタは PR:L(低い権限が必要)で、必要なのは「ワークフローを作成または変更できるアカウント」である。ところが n8n の運用では、**ワークフローを編集できることは管理者権限ではなく、ふつうの業務権限**として配られている。自動化の設定を各チームに任せている組織では、編集者はしばしば十数人から数十人になる。つまりこの欠陥は「管理者しか触れない」類ではなく、**ワークフローを1本書ける全員がホストでコマンドを実行できる**という意味になる。 **スコープが変わる(S:C)点も重い。**サンドボックスという境界を越えて、その外側のホストへ影響が及ぶため、CVSS はスコープ変更ありと評価している。9.9 という値の大半はここから来ている。n8n は各種 SaaS の認証情報を保管して外部サービスへ接続するための道具なので、**ホストでのコマンド実行はそのまま保管された資格情報と接続先への到達可能性**を意味する。n8n 単体の被害では終わらない構造である。 **ベンダー側の記録との対応関係について。**n8n の GitHub セキュリティアドバイザリ GHSA-gv7g-jm28-cr3m は、影響版(2.32.0 以上 2.32.1 未満、および 2.31.5 未満)・修正版(2.31.5 / 2.32.1)・原因(アロー関数の本体による式サンドボックスの回避)が本 CVE の NVD 記述と一致する。ただし**同アドバイザリのページには CVE 番号が記載されていない**(2026-09-02 時点で「No known CVE」と表示される)。同一のものとして扱うのが自然だが、ここでは断定せず、両者の記載内容が一致していることだけを事実として記す。なお同アドバイザリの評価は CVSS 4.0 で 8.7(High)であり、NVD の CVSS 3.1 9.9(Critical)とは版も値も異なる。**版の違う指標を比較しないこと。**

CVE-2026-72765 の対応方法・回避策は?

対応は **n8n の更新**である。2.31 系を使っているなら **2.31.5** へ、2.32 系なら **2.32.1** へ上げる。どちらの系統に乗っているかで上げ先が違う点に注意する。 **まず、自分のところが対象かを確定させる。**対象は**自己ホストの n8n** である。Docker で立てているならイメージのタグを、npm で入れているなら `n8n --version` を確認する。マネージドの n8n Cloud を使っている場合は、更新はベンダー側の作業になる。 **更新できるまでのあいだの手当ては、編集権限を絞ることである。**この欠陥は「ワークフローを作成・変更できる」ことが成立条件なので、**その権限を持つアカウントを減らせば、成立しうる経路がそのぶん減る**。棚卸しの観点は3つある。①退職者・異動者のアカウントが編集権限のまま残っていないか。②検証用や共有アカウントが編集権限を持っていないか。③外部の協力者に一時的に渡した権限が閉じているか。これは緩和であって修正ではないが、更新までの時間を稼ぐという意味では効く。 **インターネットへ出しているなら、その必要性を再検討する。**n8n の管理画面を公開したまま運用している例は多い。ベクタは AV:N(ネットワーク)で、認証は要るが**認証情報が漏れた瞬間にホストでのコマンド実行まで直結する**構造になっている。VPN の内側へ入れる、あるいは IP 制限を掛けるだけで、必要な前提条件が1段増える。 **侵害の有無を見るなら、n8n プロセスの子プロセスを見る。**式の評価からシステムコマンドが起動されるので、n8n のプロセスから想定外の子プロセス(シェル、`curl`、`wget`、パッケージマネージャ等)が生えていないかが手掛かりになる。あわせて、身に覚えのないワークフローの作成・更新がないかを監査ログで確認する。**更新した後も、更新前に既に踏まれていた可能性は消えない**ので、`N8N_ENCRYPTION_KEY` と n8n に保管している各サービスの資格情報については、侵害の疑いがある場合は再発行を検討する。

自分の環境が CVE-2026-72765 の影響を受けるか確認するには?

n8n n8n(自己ホスト型のワークフロー自動化ツール)。NVD の記述では 2.31.5 より前、および 2.32.1 より前が影響を受け、2.31.5 と 2.32.1 で修正されている。n8n Cloud ではなく、自分で立てている n8n が対象になる。 を利用している場合、稼働バージョンが影響範囲に含まれるかを一次情報(https://nvd.nist.gov/vuln/detail/CVE-2026-72765)で確認してください。AWS・GCP・Azure・Linux それぞれの対応状況は本ページの「クラウド/OS 別の対応状況」表にまとめています。確認できていない項目は「情報確認中」と明記しており、存在しないパッチ番号・バージョンは記載していません。

参考情報(出典)

本ページの記載は下記の一次情報に基づく非公式まとめです。数値・対応状況は各出典元で最終確認してください(最終確認: 2026/09/02)。

NVD(CVE 基本情報・CVSS スコアの出典)
免責: 本ページは CISA KEV・NVD・各ベンダー公式アドバイザリ等の公開情報をもとにした非公式まとめです。修正バージョンや対応可否は変更される場合があります。実際の対応は必ず 出典元および各ベンダー公式情報・自環境で確認してください。

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