脆弱性対応ウォッチ重大・クリティカル脆弱性のクラウド別対応まとめ
最新更新履歴CriticalHigh回避策のみパッチありAWSGCPAzureLinux
Critical CVSS 9.8 KEV 悪用確認
CVE-2026-86060

MikroTik RouterOS が細工したSSHユーザー名で管理者権限を奪われる(KEV・悪用確認済み)

情報取得日: 2026/09/05/最終確認: 2026/09/15・本ページは公開情報の非公式まとめです

CVE IDCVE-2026-86060
製品MikroTik / MikroTik RouterOS。NVD の該当範囲は 6.0 以上 6.49.21 未満、7.0 以上 7.23.4 未満、7.24 以上 7.24.2 未満。修正版は 6.49.21(Long-term)、7.23.4(Long-term)、7.24.2(Stable)で、MikroTik は 7.25beta3 にも修正が入ったとしている
CVSS9.8(Critical)
CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H
種別 (CWE)CWE-88 コマンド内の引数区切りの不適切な無害化(Argument Injection)
登録/公開日2026/09/05
KEV 期限2026/09/13 まで(米国連邦機関向け目安)
出典https://nvd.nist.gov/vuln/detail/CVE-2026-86060

概要

**RouterOS の SSH ログイン処理が、禁止文字で始まるユーザー名を正しく扱わない。** NVD の記述によれば、この引数の扱いの欠陥により **RouterOS の信頼ポリシーマスク(trusted RouterOS policy mask)が書き換えられ、権限昇格に至る**。CERT Polska の解説では、細工したユーザー名を使うことで得られるセッションは **RouterOS 上のフル管理者権限**になる。悪用には RouterOS のログインヘルパーに届く未認証の SSH セッションが必要で、裏返せば **SSH ポートに届きさえすれば認証は要らない**。 **これは単独の脆弱性ではなく「MikroTrick」と名付けられた連鎖の一部である。** CERT Polska は 2026-09-05 の警告記事で、RouterOS に6件の脆弱性を発見・調整開示したと公表した。うち2件(SSH 認証バイパスの CVE-2026-67276 と、本件 CVE-2026-86060)を組み合わせると、**SSH でのリモートアクセスを受け付けている機器を認証なしで完全に掌握できる**。CERT Polska はこの連鎖に MikroTrick という共通名を付けている。 **「悪用されうる」ではなく「悪用されている」段階である。** CERT Polska は「ここ数日、インターネットからアクセスできる RouterOS 機器への攻撃を観測している」「攻撃者がこの組み合わせを悪用して、SSH サービスが公開ネットワークから到達できる機器を完全に掌握していることの確認を得た」と明記した。CISA も 2026-09-10 に KEV へ収載し、是正期限を 2026-09-13 としている。 **評価値は情報源によって指標が違う。** NVD(nvd@nist.gov)の CVSS 3.1 基本値は **9.8**(AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H)、報告者である CERT Polska(cvd@cert.pl)の CVSS 4.0 基本値は **9.2** である。どちらも Critical で、**未認証・遠隔・利用者操作なし**という性質は一致している。 **MikroTik は当初、詳細を伏せて更新だけを促した。** 2026-09-03 のセキュリティ告知は「重要なセキュリティ更新である。ほとんどの構成は危険にさらされていないが、更新を強く推奨する」「システムを更新する時間を確保するため、現時点では詳細情報を公開しない」という書き方で、修正が 7.25beta3 / 7.24.2 / 7.23.4 / 6.49.21 に含まれるとだけ伝えている。**この告知だけを読んで緊急度を低く見積もった管理者は、実際には悪用が進行している状態を見落としていたことになる。**

クラウド/OS 別の対応状況

各ベンダー公式アドバイザリで確認できた事実に基づき整理しています。確認できていない項目は「情報確認中」と明記し、存在しないパッチ番号・バージョンは記載しません。

AWS / GCP / Azure は同じ対応区分です: パッチあり(アプリ更新)
Linux のみ異なります: 対象外
環境対応状況対応方法・備考
AWS (ECS/EC2) パッチあり(アプリ更新)
AWS 側の対処では直らない。**RouterOS を 6.49.21 / 7.23.4 / 7.24.2 以降へ更新する。**
MikroTik の CHR(Cloud Hosted Router)として仮想マシン上で RouterOS を動かしている場合も、中身は同じ RouterOS なので同じ版へ上げる必要がある。EC2 上で CHR を運用しているなら、更新までのあいだセキュリティグループで 22/tcp(および `/ip service` で変更している場合はその番号)への到達元を信頼済み CIDR に絞る。これは本脆弱性そのものを直すのではなく、**到達させないことで悪用を防ぐ**緩和である。オンプレのルータを Site-to-Site VPN で AWS に接続している構成では、ルータが掌握されると VPN の先の VPC まで届くため、更新後に VPN の事前共有鍵も入れ替えることを検討する。
参照リンク
GCP パッチあり(アプリ更新)
GCP 側の対処では直らない。**RouterOS を 6.49.21 / 7.23.4 / 7.24.2 以降へ更新する。**
Compute Engine 上で CHR を動かしている場合は VPC ファイアウォールルールで SSH の到達元を絞り、更新後に Flagged 状態とログを確認する。Cloud VPN でオンプレの MikroTik ルータと接続している構成では、ルータ側が掌握された場合にトンネル越しの通信が信用できなくなるので、更新後に共有シークレットを入れ替える。
参照リンク
Azure パッチあり(アプリ更新)
Azure 側の対処では直らない。**RouterOS を 6.49.21 / 7.23.4 / 7.24.2 以降へ更新する。**
Azure VM 上の CHR は NSG で SSH の到達元を絞る。Azure VPN Gateway でオンプレの MikroTik と接続している構成は、GCP・AWS と同じく更新後に事前共有鍵の入れ替えを検討する。
参照リンク
Linux 対象外
**Linux ディストリビューションの更新では直らない。** RouterOS は MikroTik 独自の OS で、Debian / Ubuntu / RHEL のセキュリティ更新の対象外である。RouterOS 側を 6.49.21 / 7.23.4 / 7.24.2 以降へ上げる。
Linux 側で行える実務は、ルータの外から記録を残すことである。RouterOS の syslog を別の Linux ホストへ転送していれば、掌握された機器の中のログが消されても外側に証跡が残る。ネットワーク境界の Linux ルータやファイアウォールのログで、MikroTik 機器の 22/tcp へ外部から到達した記録と、機器から外部への予期しない接続を洗い出せる。CERT Polska が挙げた点検項目(不明なユーザー・スクリプト・スケジューラ・プロキシ・トンネル)は RouterOS 側のコマンドで見る。
参照リンク

解決の方向性(パッチ/回避策/代替)

**修正版へ上げる。** 自分の系列に応じて **6.49.21(Long-term)/ 7.23.4(Long-term)/ 7.24.2(Stable)** 以降へ更新する。RouterOS の「Check for updates」メニューから更新できる。MikroTik は 7.25beta3 にも修正が入っているとしているが、**本番機に beta を入れる必要はない**(自分のチャンネルの安定版で修正は入っている)。 **更新と同じくらい重要なのが、SSH の露出をやめることである。** MikroTik の告知は「SSH が信頼できないネットワークへ開いていないことを確認する」「既定の構成ではインターネットからこのポートを遮断しているが、手動で開けた場合は信頼できる IP だけに制限するか、WireGuard のような強力な VPN を使い、管理ポートをまったく開けないほうがよい」と述べている。**本脆弱性は SSH のログイン処理そのものにあるので、到達できなければ悪用されない。** RouterOS のファイアウォールで管理系サービスを絞るか、`/ip service` で SSH の `address` を信頼できる範囲に限定する。 **修正版は「侵害チェック機構」を持っている。** MikroTik によれば、修正済み RouterOS は起動時に設定を走査し、既知の不正な変更の痕跡を見つけると**機器を Flagged 状態にしてログに critical のエントリを書く**。CERT Polska の説明では、認識した不審な設定項目を無効化したうえでこの状態にする。**Log セクションに Flagged の critical エントリがあれば、MikroTik の Flagged status ドキュメントの手順に従う**こと。 **Flagged でなくても、更新後に設定を自分の目で点検する。** MikroTik は「Flagged 状態でなくても、RouterOS の更新後に、身に覚えのないスクリプト・ユーザー・その他の設定が無いか点検する」よう求めている。CERT Polska はより具体的に、**不明なユーザー、スクリプト、スケジューラのタスク、プロキシサーバ、トンネル**を確認せよと挙げている。RouterOS では次を見るとよい。 ``` /user print /system script print /system scheduler print /ip proxy print /interface print where type~"tunnel|eoip|gre|ipip|l2tp|pptp|sstp|ovpn" /ip firewall nat print ``` **掌握された機器は、設定の一部を消すだけでは戻らない可能性がある。** root 相当の権限を取られているので、認証情報(管理者パスワード・SSH 公開鍵・SNMP コミュニティ・VPN の事前共有鍵)はすべて入れ替える前提で考える。**RouterOS の管理者アカウントで使い回しているパスワードが他機器にもあるなら、そちらも替える。** **同じ MikroTrick 連鎖のもう1件(CVE-2026-67276・SSH 認証バイパス・CERT Polska 評価 CVSS 9.2)も同じ修正版で塞がる**ので、版を上げれば個別に対応を分ける必要は無い。

よくある質問(CVE-2026-86060)

CVE-2026-86060(MikroTik RouterOS。NVD の該当範囲は 6.0 以上 6.49.21 未満、7.0 以上 7.23.4 未満、7.24 以上 7.24.2 未満。修正版は 6.49.21)の影響は?

Critical(CVSS 9.8)に分類されるMikroTik MikroTik RouterOS。NVD の該当範囲は 6.0 以上 6.49.21 未満、7.0 以上 7.23.4 未満、7.24 以上 7.24.2 未満。修正版は 6.49.21(Long-term)、7.23.4(Long-term)、7.24.2(Stable)で、MikroTik は 7.25beta3 にも修正が入ったとしているの脆弱性です。**RouterOS の SSH ログイン処理が、禁止文字で始まるユーザー名を正しく扱わない。** NVD の記述によれば、この引数の扱いの欠陥により **RouterOS の信頼ポリシーマスク(trusted RouterOS policy mask)が書き換えられ、権限昇格に至る**。CERT Polska の解説では、細工したユーザー名を使うことで得られるセッションは **RouterOS 上のフル管理者権限**になる。悪用には RouterOS のログインヘルパーに届く未認証の SSH セッションが必要で、裏返せば **SSH ポートに届きさえすれば認証は要らない**。 **これは単独の脆弱性ではなく「MikroTrick」と名付けられた連鎖の一部である。** CERT Polska は 2026-09-05 の警告記事で、RouterOS に6件の脆弱性を発見・調整開示したと公表した。うち2件(SSH 認証バイパスの CVE-2026-67276 と、本件 CVE-2026-86060)を組み合わせると、**SSH でのリモートアクセスを受け付けている機器を認証なしで完全に掌握できる**。CERT Polska はこの連鎖に MikroTrick という共通名を付けている。 **「悪用されうる」ではなく「悪用されている」段階である。** CERT Polska は「ここ数日、インターネットからアクセスできる RouterOS 機器への攻撃を観測している」「攻撃者がこの組み合わせを悪用して、SSH サービスが公開ネットワークから到達できる機器を完全に掌握していることの確認を得た」と明記した。CISA も 2026-09-10 に KEV へ収載し、是正期限を 2026-09-13 としている。 **評価値は情報源によって指標が違う。** NVD(nvd@nist.gov)の CVSS 3.1 基本値は **9.8**(AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H)、報告者である CERT Polska(cvd@cert.pl)の CVSS 4.0 基本値は **9.2** である。どちらも Critical で、**未認証・遠隔・利用者操作なし**という性質は一致している。 **MikroTik は当初、詳細を伏せて更新だけを促した。** 2026-09-03 のセキュリティ告知は「重要なセキュリティ更新である。ほとんどの構成は危険にさらされていないが、更新を強く推奨する」「システムを更新する時間を確保するため、現時点では詳細情報を公開しない」という書き方で、修正が 7.25beta3 / 7.24.2 / 7.23.4 / 6.49.21 に含まれるとだけ伝えている。**この告知だけを読んで緊急度を低く見積もった管理者は、実際には悪用が進行している状態を見落としていたことになる。**

CVE-2026-86060 の対応方法・回避策は?

**修正版へ上げる。** 自分の系列に応じて **6.49.21(Long-term)/ 7.23.4(Long-term)/ 7.24.2(Stable)** 以降へ更新する。RouterOS の「Check for updates」メニューから更新できる。MikroTik は 7.25beta3 にも修正が入っているとしているが、**本番機に beta を入れる必要はない**(自分のチャンネルの安定版で修正は入っている)。 **更新と同じくらい重要なのが、SSH の露出をやめることである。** MikroTik の告知は「SSH が信頼できないネットワークへ開いていないことを確認する」「既定の構成ではインターネットからこのポートを遮断しているが、手動で開けた場合は信頼できる IP だけに制限するか、WireGuard のような強力な VPN を使い、管理ポートをまったく開けないほうがよい」と述べている。**本脆弱性は SSH のログイン処理そのものにあるので、到達できなければ悪用されない。** RouterOS のファイアウォールで管理系サービスを絞るか、`/ip service` で SSH の `address` を信頼できる範囲に限定する。 **修正版は「侵害チェック機構」を持っている。** MikroTik によれば、修正済み RouterOS は起動時に設定を走査し、既知の不正な変更の痕跡を見つけると**機器を Flagged 状態にしてログに critical のエントリを書く**。CERT Polska の説明では、認識した不審な設定項目を無効化したうえでこの状態にする。**Log セクションに Flagged の critical エントリがあれば、MikroTik の Flagged status ドキュメントの手順に従う**こと。 **Flagged でなくても、更新後に設定を自分の目で点検する。** MikroTik は「Flagged 状態でなくても、RouterOS の更新後に、身に覚えのないスクリプト・ユーザー・その他の設定が無いか点検する」よう求めている。CERT Polska はより具体的に、**不明なユーザー、スクリプト、スケジューラのタスク、プロキシサーバ、トンネル**を確認せよと挙げている。RouterOS では次を見るとよい。 ``` /user print /system script print /system scheduler print /ip proxy print /interface print where type~"tunnel|eoip|gre|ipip|l2tp|pptp|sstp|ovpn" /ip firewall nat print ``` **掌握された機器は、設定の一部を消すだけでは戻らない可能性がある。** root 相当の権限を取られているので、認証情報(管理者パスワード・SSH 公開鍵・SNMP コミュニティ・VPN の事前共有鍵)はすべて入れ替える前提で考える。**RouterOS の管理者アカウントで使い回しているパスワードが他機器にもあるなら、そちらも替える。** **同じ MikroTrick 連鎖のもう1件(CVE-2026-67276・SSH 認証バイパス・CERT Polska 評価 CVSS 9.2)も同じ修正版で塞がる**ので、版を上げれば個別に対応を分ける必要は無い。

自分の環境が CVE-2026-86060 の影響を受けるか確認するには?

MikroTik MikroTik RouterOS。NVD の該当範囲は 6.0 以上 6.49.21 未満、7.0 以上 7.23.4 未満、7.24 以上 7.24.2 未満。修正版は 6.49.21(Long-term)、7.23.4(Long-term)、7.24.2(Stable)で、MikroTik は 7.25beta3 にも修正が入ったとしている を利用している場合、稼働バージョンが影響範囲に含まれるかを一次情報(https://nvd.nist.gov/vuln/detail/CVE-2026-86060)で確認してください。AWS・GCP・Azure・Linux それぞれの対応状況は本ページの「クラウド/OS 別の対応状況」表にまとめています。確認できていない項目は「情報確認中」と明記しており、存在しないパッチ番号・バージョンは記載していません。

CVE-2026-86060 は実際に悪用されている?

はい。CISA の既知の悪用された脆弱性カタログ(KEV)に登録されており、実環境での悪用が確認されています。米国連邦機関向けの対応期限の目安は 2026/09/13 です。早急な対応が推奨されます。

参考情報(出典)

本ページの記載は下記の一次情報に基づく非公式まとめです。数値・対応状況は各出典元で最終確認してください(最終確認: 2026/09/15)。

免責: 本ページは CISA KEV・NVD・各ベンダー公式アドバイザリ等の公開情報をもとにした非公式まとめです。修正バージョンや対応可否は変更される場合があります。実際の対応は必ず 出典元および各ベンダー公式情報・自環境で確認してください。

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