脆弱性対応ウォッチ重大・クリティカル脆弱性のクラウド別対応まとめ
最新更新履歴CriticalHigh回避策のみパッチありAWSGCPAzureLinux
High CVSS 8.2 KEV 悪用確認
CVE-2026-67277

MikroTik RouterOS の帯域テストが未認証でカーネルメモリ漏えいと再起動を起こす(KEV)

情報取得日: 2026/09/05/最終確認: 2026/09/15・本ページは公開情報の非公式まとめです

CVE IDCVE-2026-67277
製品MikroTik / MikroTik RouterOS の bandwidth-test(btest)サービス。NVD の該当範囲は 6.0 以上 6.49.21 未満、7.0 以上 7.23.4 未満、7.24 以上 7.24.2 未満。修正版は 6.49.21(Long-term)、7.23.4(Long-term)、7.24.2(Stable)
CVSS8.2(High)
CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:L/I:N/A:H
種別 (CWE)CWE-306 重要な機能に対する認証の欠如(加えて未初期化メモリの開示と整数アンダーフロー)
登録/公開日2026/09/05
KEV 期限2026/09/13 まで(米国連邦機関向け目安)
出典https://nvd.nist.gov/vuln/detail/CVE-2026-67277

概要

**RouterOS の帯域テスト(bandwidth-test / btest)サービスが、認証が済む前の段階で「related」接続を受け入れてしまう。** NVD の記述によれば、未認証のクライアントがこの状態を使って IPv4 の UDP テストを開始でき、`random-data=false` のとき**送信側はカーネルのパケットバッファの未初期化部分をそのまま送出する**。さらに、パケットサイズの検証区間が反転したまま未チェックであることから**符号なし整数のアンダーフロー**が起き、異常に大きな断片化出力が生じて **RouterOS のカーネルを再起動させうる**。 **実害は2種類ある。** ひとつは**カーネルメモリの漏えい**で、ルータが処理していた他の通信の断片が外部へ出る可能性がある。もうひとつは**遠隔からの DoS** で、機器が再起動する。CERT Polska はこの2点を「kernel memory leakage or a remote DoS attack leading to a system restart」とまとめている。 **同じ「MikroTrick」の一連として公表されたが、位置づけは前の2件と異なる。** CERT Polska が調整開示した6件のうち、機器の完全掌握につながるのは SSH 認証バイパス(CVE-2026-67276)と SSH ユーザー名による権限昇格(CVE-2026-86060)の組み合わせである。本件は**単独では管理者権限の奪取には至らない**が、未認証で到達できる点と、漏えいしたメモリ内容が他の攻撃の材料になりうる点で軽視できない。 **評価値**は NVD(nvd@nist.gov)の CVSS 3.1 が **8.2**(AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/**C:L/I:N/A:H**)、CERT Polska(cvd@cert.pl)の CVSS 4.0 が **8.8** である。CVSS 3.1 のベクタが示すとおり、**機密性への影響は Low、完全性への影響は無し、可用性への影響が High** という配分で、「掌握」ではなく「漏えい+停止」の脆弱性であることが数値にも表れている。 **CISA は 2026-09-10 に KEV へ収載し、是正期限を 2026-09-13 とした。** 収載は MikroTrick 連鎖の他の CVE と同日である。

クラウド/OS 別の対応状況

各ベンダー公式アドバイザリで確認できた事実に基づき整理しています。確認できていない項目は「情報確認中」と明記し、存在しないパッチ番号・バージョンは記載しません。

AWS / GCP / Azure は同じ対応区分です: パッチあり(アプリ更新)
Linux のみ異なります: 対象外
環境対応状況対応方法・備考
AWS (ECS/EC2) パッチあり(アプリ更新)
AWS 側の対処では直らない。**RouterOS を 6.49.21 / 7.23.4 / 7.24.2 以降へ更新する。**
CHR(Cloud Hosted Router)を EC2 上で動かしている場合、更新までのあいだはセキュリティグループで btest の待ち受けポートへの到達を遮断し、`/tool bandwidth-server set enabled=no` で機能自体を止めるのが確実である。可用性への影響が High(機器再起動)なので、CHR をルーティング経路に置いている構成では**障害としても現れる**点に注意する。
参照リンク
GCP パッチあり(アプリ更新)
GCP 側の対処では直らない。**RouterOS を 6.49.21 / 7.23.4 / 7.24.2 以降へ更新する。**
Compute Engine 上の CHR は VPC ファイアウォールで btest ポートを遮断し、bandwidth-server を無効化する。更新後は Flagged 状態とログを確認する。
参照リンク
Azure パッチあり(アプリ更新)
Azure 側の対処では直らない。**RouterOS を 6.49.21 / 7.23.4 / 7.24.2 以降へ更新する。**
Azure VM 上の CHR は NSG で btest ポートを遮断し、bandwidth-server を無効化する。
参照リンク
Linux 対象外
**Linux ディストリビューションの更新では直らない。** RouterOS は MikroTik 独自の OS である。RouterOS 側を 6.49.21 / 7.23.4 / 7.24.2 以降へ上げる。
Linux 側で行えるのは外形監視と記録である。ルータが再起動する DoS なので、ping / SNMP のアップタイム監視で「再起動が繰り返されている」ことに気づける。RouterOS の syslog を別の Linux ホストへ転送していれば、再起動の前後に何があったかを機器の外に残せる。境界のファイアウォールログで btest ポートへの外部からの到達を数えると、露出していたかどうかを事後に確認できる。
参照リンク

解決の方向性(パッチ/回避策/代替)

**対処は CVE-2026-86060 と同じ更新で足りる。** 6.49.21(Long-term)/ 7.23.4(Long-term)/ 7.24.2(Stable)以降へ上げれば本件も塞がる。**同じ告知・同じ修正版なので、MikroTrick 関連を個別に対応する必要は無い。** **更新までの緩和としては、帯域テストサービスを止めることが直接的に効く。** btest サーバは RouterOS の設定で無効化できる。 ``` /tool bandwidth-server print /tool bandwidth-server set enabled=no ``` **これは本番運用で帯域テストを常用していない限り、副作用の小さい措置である。** 帯域測定は必要なときだけ有効化して、終わったら戻すのが本来の使い方に近い。どうしても有効にしておく必要がある場合は、`allocate-udp-ports-from` / `authenticate=yes` の設定と、ファイアウォールで btest の待ち受けポート(既定 2000/tcp・UDP)への到達元を信頼できる範囲に絞ることを併用する。 **「更新したから終わり」にしない。** 本件は掌握の脆弱性ではないが、同じ機器には掌握に至る CVE-2026-67276 / CVE-2026-86060 が同居していた。**SSH がインターネットへ開いていた機器は、本件の対処とは別に侵害の有無を点検する**必要がある。修正版の RouterOS は起動時に設定を走査して不審な変更があれば Flagged 状態にするので、まず Log セクションを見る。Flagged でなくても、不明なユーザー・スクリプト・スケジューラのタスク・プロキシ・トンネルを確認する(CERT Polska の推奨)。 **漏えいしたメモリ内容は取り戻せない。** btest を有効にしたままインターネットへ露出していた期間があるなら、その機器を通っていた通信のうち平文のもの(管理系の Telnet・SNMP v1/v2c のコミュニティ名など)は、外部へ出た可能性を前提に入れ替えるのが安全側の判断である。

よくある質問(CVE-2026-67277)

CVE-2026-67277(MikroTik RouterOS の bandwidth-test)の影響は?

High(CVSS 8.2)に分類されるMikroTik MikroTik RouterOS の bandwidth-test(btest)サービス。NVD の該当範囲は 6.0 以上 6.49.21 未満、7.0 以上 7.23.4 未満、7.24 以上 7.24.2 未満。修正版は 6.49.21(Long-term)、7.23.4(Long-term)、7.24.2(Stable)の脆弱性です。**RouterOS の帯域テスト(bandwidth-test / btest)サービスが、認証が済む前の段階で「related」接続を受け入れてしまう。** NVD の記述によれば、未認証のクライアントがこの状態を使って IPv4 の UDP テストを開始でき、`random-data=false` のとき**送信側はカーネルのパケットバッファの未初期化部分をそのまま送出する**。さらに、パケットサイズの検証区間が反転したまま未チェックであることから**符号なし整数のアンダーフロー**が起き、異常に大きな断片化出力が生じて **RouterOS のカーネルを再起動させうる**。 **実害は2種類ある。** ひとつは**カーネルメモリの漏えい**で、ルータが処理していた他の通信の断片が外部へ出る可能性がある。もうひとつは**遠隔からの DoS** で、機器が再起動する。CERT Polska はこの2点を「kernel memory leakage or a remote DoS attack leading to a system restart」とまとめている。 **同じ「MikroTrick」の一連として公表されたが、位置づけは前の2件と異なる。** CERT Polska が調整開示した6件のうち、機器の完全掌握につながるのは SSH 認証バイパス(CVE-2026-67276)と SSH ユーザー名による権限昇格(CVE-2026-86060)の組み合わせである。本件は**単独では管理者権限の奪取には至らない**が、未認証で到達できる点と、漏えいしたメモリ内容が他の攻撃の材料になりうる点で軽視できない。 **評価値**は NVD(nvd@nist.gov)の CVSS 3.1 が **8.2**(AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/**C:L/I:N/A:H**)、CERT Polska(cvd@cert.pl)の CVSS 4.0 が **8.8** である。CVSS 3.1 のベクタが示すとおり、**機密性への影響は Low、完全性への影響は無し、可用性への影響が High** という配分で、「掌握」ではなく「漏えい+停止」の脆弱性であることが数値にも表れている。 **CISA は 2026-09-10 に KEV へ収載し、是正期限を 2026-09-13 とした。** 収載は MikroTrick 連鎖の他の CVE と同日である。

CVE-2026-67277 の対応方法・回避策は?

**対処は CVE-2026-86060 と同じ更新で足りる。** 6.49.21(Long-term)/ 7.23.4(Long-term)/ 7.24.2(Stable)以降へ上げれば本件も塞がる。**同じ告知・同じ修正版なので、MikroTrick 関連を個別に対応する必要は無い。** **更新までの緩和としては、帯域テストサービスを止めることが直接的に効く。** btest サーバは RouterOS の設定で無効化できる。 ``` /tool bandwidth-server print /tool bandwidth-server set enabled=no ``` **これは本番運用で帯域テストを常用していない限り、副作用の小さい措置である。** 帯域測定は必要なときだけ有効化して、終わったら戻すのが本来の使い方に近い。どうしても有効にしておく必要がある場合は、`allocate-udp-ports-from` / `authenticate=yes` の設定と、ファイアウォールで btest の待ち受けポート(既定 2000/tcp・UDP)への到達元を信頼できる範囲に絞ることを併用する。 **「更新したから終わり」にしない。** 本件は掌握の脆弱性ではないが、同じ機器には掌握に至る CVE-2026-67276 / CVE-2026-86060 が同居していた。**SSH がインターネットへ開いていた機器は、本件の対処とは別に侵害の有無を点検する**必要がある。修正版の RouterOS は起動時に設定を走査して不審な変更があれば Flagged 状態にするので、まず Log セクションを見る。Flagged でなくても、不明なユーザー・スクリプト・スケジューラのタスク・プロキシ・トンネルを確認する(CERT Polska の推奨)。 **漏えいしたメモリ内容は取り戻せない。** btest を有効にしたままインターネットへ露出していた期間があるなら、その機器を通っていた通信のうち平文のもの(管理系の Telnet・SNMP v1/v2c のコミュニティ名など)は、外部へ出た可能性を前提に入れ替えるのが安全側の判断である。

自分の環境が CVE-2026-67277 の影響を受けるか確認するには?

MikroTik MikroTik RouterOS の bandwidth-test(btest)サービス。NVD の該当範囲は 6.0 以上 6.49.21 未満、7.0 以上 7.23.4 未満、7.24 以上 7.24.2 未満。修正版は 6.49.21(Long-term)、7.23.4(Long-term)、7.24.2(Stable) を利用している場合、稼働バージョンが影響範囲に含まれるかを一次情報(https://nvd.nist.gov/vuln/detail/CVE-2026-67277)で確認してください。AWS・GCP・Azure・Linux それぞれの対応状況は本ページの「クラウド/OS 別の対応状況」表にまとめています。確認できていない項目は「情報確認中」と明記しており、存在しないパッチ番号・バージョンは記載していません。

CVE-2026-67277 は実際に悪用されている?

はい。CISA の既知の悪用された脆弱性カタログ(KEV)に登録されており、実環境での悪用が確認されています。米国連邦機関向けの対応期限の目安は 2026/09/13 です。早急な対応が推奨されます。

参考情報(出典)

本ページの記載は下記の一次情報に基づく非公式まとめです。数値・対応状況は各出典元で最終確認してください(最終確認: 2026/09/15)。

免責: 本ページは CISA KEV・NVD・各ベンダー公式アドバイザリ等の公開情報をもとにした非公式まとめです。修正バージョンや対応可否は変更される場合があります。実際の対応は必ず 出典元および各ベンダー公式情報・自環境で確認してください。

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