情報取得日: 2026/07/14/最終確認: 2026/08/01・本ページは公開情報の非公式まとめです
| CVE ID | CVE-2026-49164 |
|---|---|
| 製品 | Microsoft / Windows Server / Windows 10・11(Active Directory Domain Services。2026年7月の累積更新で修正) |
| CVSS | 9.8(Critical) CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H |
| 種別 (CWE) | CWE-122(ヒープベースのバッファオーバーフロー) |
| 登録/公開日 | 2026/07/14 |
| 出典 | https://nvd.nist.gov/vuln/detail/CVE-2026-49164 |
Active Directory ドメインサービス(AD DS)にヒープベースのバッファオーバーフロー(CWE-122)がある。Microsoft の説明は「権限のない攻撃者がネットワーク越しにコードを実行できる」という1文のみで、どのプロトコル・どの処理が起点かは公表されていない。**再現手順が出ていないことと、危険でないことは別である**。ドメインコントローラでのコード実行は、そのドメイン全体の資格情報が攻撃者の手に渡ることを意味する。 評価は2つに割れている。Microsoft(MSRC)は CVSS 3.1 で 8.1 HIGH(AV:N/**AC:H**/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H)、NVD は 9.8 CRITICAL(AV:N/**AC:L**/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H)としている。違いは攻撃条件の複雑さ(AC)だけで、Microsoft は「攻撃者の制御できない条件(メモリ配置の当たり外れなど)が要る」と見て AC:H、NVD はそれを取らずに AC:L としている。ヒープオーバーフローは実際には条件が揃わないと成立しないことが多いので、MSRC の AC:H には根拠がある。ただし**どちらの評価でも未認証・遠隔・利用者操作不要**であり、対応の要否は変わらない。 影響範囲は広い。NVD の対象には Windows 10 の 1607 / 1809 / 21H2 / 22H2 など古い枝を含む多数のビルドが並んでおり、サーバだけでなくクライアント OS のビルドも列挙されている。これは AD DS の該当コンポーネントが OS 側に含まれているためで、実際に攻撃対象になるのは**ドメインコントローラとして稼働している Windows Server** である。 NVD 公開日は2026年7月14日、最終更新は7月22日、vulnStatus は Analyzed。2026年8月3日時点で CISA KEV カタログには収載されておらず、悪用の報告も公表されていない。**未収載は「安全」ではなく「まだ確認されていない」という意味である。**
各ベンダー公式アドバイザリで確認できた事実に基づき整理しています。確認できていない項目は「情報確認中」と明記し、存在しないパッチ番号・バージョンは記載しません。
| 環境 | 対応状況 | 対応方法・備考 |
|---|---|---|
| AWS (ECS/EC2) | 情報確認中 |
EC2 上の自前 DC は2026年7月の累積更新を適用する。AWS Managed Microsoft AD はマネージド側でパッチが当たる
AWS Managed Microsoft AD は AWS がパッチ適用を行うため利用者の作業は不要だが、**同じ VPC 内に自前で立てた DC** は対象外なので別途更新する。AD Connector は DC そのものではないが、接続先のオンプレ DC が対象になる。
参照リンク
|
| GCP | 情報確認中 |
Compute Engine 上の自前 DC は2026年7月の累積更新を適用する。Managed Service for Microsoft Active Directory はマネージド側でパッチが当たる
マネージド AD を使っていても、ドメイン参加のために立てたヘルパー用の DC やテスト用 DC が残っていることがある。インスタンス一覧で Windows Server を洗い出して確認する。
参照リンク
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| Azure | 情報確認中 |
Azure VM 上の自前 DC は2026年7月の累積更新を適用する。Microsoft Entra Domain Services はマネージド側でパッチが当たる
Entra ID(クラウドのみ)は本欠陥の対象ではない。対象は AD DS(オンプレミス型のドメインサービス)である。ハイブリッド構成で残している DC を見落とさないこと。Update Management で適用状況を一覧できる。
参照リンク
|
| Linux | 対象外 |
Linux 上の Samba AD DC は本 CVE の対象ではない(Microsoft 実装の欠陥)
ただし Samba を DC にしている環境でも、同じドメインに Windows の DC が混在しているならそちらは対象になる。ドメイン単位で DC を数え直すこと。
参照リンク
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まず、自分の環境にドメインコントローラがあるかを確認する。`Get-ADDomainController -Filter *` (AD PowerShell モジュール)で一覧できる。オンプレミスの AD を持たず Entra ID(旧 Azure AD)だけを使っている組織は、この欠陥の直接の対象ではない。**ハイブリッド構成で AD Connect のためだけに DC を1台残している、という環境が見落とされやすい。** 次に、その DC に2026年7月の累積更新が当たっているかを見る。`Get-HotFix | Sort-Object InstalledOn -Descending | Select-Object -First 5` で直近の更新を確認し、ビルド番号は `winver` または `[System.Environment]::OSVersion.Version` で見る。NVD が挙げている修正済みビルドは枝ごとに違う(Windows 10 1607 は 10.0.14393.9339、1809 は 10.0.17763.9020、21H2 / 22H2 は 10.0.19044.7548 / 10.0.19045.7548 など)ので、自分の枝の番号と比べること。正確な対象と修正版は MSRC のページで CVE 番号を引くのが確実である。 恒久対応は **2026年7月の累積更新(Patch Tuesday)を適用する**ことに尽きる。回避策は公表されていない。DC の再起動が要るので、複数台ある場合は FSMO 役割の所在を確認したうえで1台ずつ回す。 更新までの緩和策は、**DC への到達経路を絞る**ことである。起点のプロトコルが公表されていない以上、特定ポートだけを塞ぐ判断はできない。現実的な手は、DC を管理セグメントに閉じ、一般の利用者セグメントからは AD が必要とするポートだけを許可し、インターネットから直接届く経路が無いことを確認する、という基本の徹底になる。**DC がインターネットに面している構成は、この CVE の有無にかかわらず先に直すべきである。** 検知は、DC の異常終了と再起動の記録から入る。ヒープオーバーフローは失敗すると対象プロセスが落ちるので、システムログのイベント ID 1000(アプリケーションエラー)や 1001(Windows エラー報告)に `lsass.exe` などの AD 関連プロセスのクラッシュが残っていないかを見る。成立した場合は痕跡が消される可能性があるため、DC のセキュリティログは別ホストへ転送しておくのが前提になる。 優先順は、**インターネットから到達しうる DC** → **利用者セグメントから直接到達できる DC** → **管理セグメントに閉じた DC** の順である。読み取り専用ドメインコントローラ(RODC)も対象に含めて数えること。
Critical(CVSS 9.8)に分類されるMicrosoft Windows Server / Windows 10・11(Active Directory Domain Services。2026年7月の累積更新で修正)の脆弱性です。Active Directory ドメインサービス(AD DS)にヒープベースのバッファオーバーフロー(CWE-122)がある。Microsoft の説明は「権限のない攻撃者がネットワーク越しにコードを実行できる」という1文のみで、どのプロトコル・どの処理が起点かは公表されていない。**再現手順が出ていないことと、危険でないことは別である**。ドメインコントローラでのコード実行は、そのドメイン全体の資格情報が攻撃者の手に渡ることを意味する。 評価は2つに割れている。Microsoft(MSRC)は CVSS 3.1 で 8.1 HIGH(AV:N/**AC:H**/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H)、NVD は 9.8 CRITICAL(AV:N/**AC:L**/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H)としている。違いは攻撃条件の複雑さ(AC)だけで、Microsoft は「攻撃者の制御できない条件(メモリ配置の当たり外れなど)が要る」と見て AC:H、NVD はそれを取らずに AC:L としている。ヒープオーバーフローは実際には条件が揃わないと成立しないことが多いので、MSRC の AC:H には根拠がある。ただし**どちらの評価でも未認証・遠隔・利用者操作不要**であり、対応の要否は変わらない。 影響範囲は広い。NVD の対象には Windows 10 の 1607 / 1809 / 21H2 / 22H2 など古い枝を含む多数のビルドが並んでおり、サーバだけでなくクライアント OS のビルドも列挙されている。これは AD DS の該当コンポーネントが OS 側に含まれているためで、実際に攻撃対象になるのは**ドメインコントローラとして稼働している Windows Server** である。 NVD 公開日は2026年7月14日、最終更新は7月22日、vulnStatus は Analyzed。2026年8月3日時点で CISA KEV カタログには収載されておらず、悪用の報告も公表されていない。**未収載は「安全」ではなく「まだ確認されていない」という意味である。**
まず、自分の環境にドメインコントローラがあるかを確認する。`Get-ADDomainController -Filter *` (AD PowerShell モジュール)で一覧できる。オンプレミスの AD を持たず Entra ID(旧 Azure AD)だけを使っている組織は、この欠陥の直接の対象ではない。**ハイブリッド構成で AD Connect のためだけに DC を1台残している、という環境が見落とされやすい。** 次に、その DC に2026年7月の累積更新が当たっているかを見る。`Get-HotFix | Sort-Object InstalledOn -Descending | Select-Object -First 5` で直近の更新を確認し、ビルド番号は `winver` または `[System.Environment]::OSVersion.Version` で見る。NVD が挙げている修正済みビルドは枝ごとに違う(Windows 10 1607 は 10.0.14393.9339、1809 は 10.0.17763.9020、21H2 / 22H2 は 10.0.19044.7548 / 10.0.19045.7548 など)ので、自分の枝の番号と比べること。正確な対象と修正版は MSRC のページで CVE 番号を引くのが確実である。 恒久対応は **2026年7月の累積更新(Patch Tuesday)を適用する**ことに尽きる。回避策は公表されていない。DC の再起動が要るので、複数台ある場合は FSMO 役割の所在を確認したうえで1台ずつ回す。 更新までの緩和策は、**DC への到達経路を絞る**ことである。起点のプロトコルが公表されていない以上、特定ポートだけを塞ぐ判断はできない。現実的な手は、DC を管理セグメントに閉じ、一般の利用者セグメントからは AD が必要とするポートだけを許可し、インターネットから直接届く経路が無いことを確認する、という基本の徹底になる。**DC がインターネットに面している構成は、この CVE の有無にかかわらず先に直すべきである。** 検知は、DC の異常終了と再起動の記録から入る。ヒープオーバーフローは失敗すると対象プロセスが落ちるので、システムログのイベント ID 1000(アプリケーションエラー)や 1001(Windows エラー報告)に `lsass.exe` などの AD 関連プロセスのクラッシュが残っていないかを見る。成立した場合は痕跡が消される可能性があるため、DC のセキュリティログは別ホストへ転送しておくのが前提になる。 優先順は、**インターネットから到達しうる DC** → **利用者セグメントから直接到達できる DC** → **管理セグメントに閉じた DC** の順である。読み取り専用ドメインコントローラ(RODC)も対象に含めて数えること。
Microsoft Windows Server / Windows 10・11(Active Directory Domain Services。2026年7月の累積更新で修正) を利用している場合、稼働バージョンが影響範囲に含まれるかを一次情報(https://nvd.nist.gov/vuln/detail/CVE-2026-49164)で確認してください。AWS・GCP・Azure・Linux それぞれの対応状況は本ページの「クラウド/OS 別の対応状況」表にまとめています。確認できていない項目は「情報確認中」と明記しており、存在しないパッチ番号・バージョンは記載していません。
本ページの記載は下記の一次情報に基づく非公式まとめです。数値・対応状況は各出典元で最終確認してください(最終確認: 2026/08/01)。